保護ねこおやじのブログ

正月に発症した「くも膜下出血」の闘病日誌

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広告:くも膜下出血によるリハビリ病院での足のリハビリ

急性病院のリハビリとは異なり、リハビリ病院は大規模なリハビリ施設と療法士さんを抱えている。リハビリ病院入院中、毎日OT(作業療法)、ST(言語聴覚療法)、PT(理学療法)の3種類の訓練がスケジュールされた。

くも膜下出血による急性病院での足のリハビリ - 保護ねこおやじのブログ (hatenablog.com)」の②で説明した「右腕・肩の痛み軽減」はOTで、本記事のテーマである①「発症前と同程度の歩行」はPTでトレーニングを行った

 

病床でつけていたノートを紐解くと、足の弱点というタイトルで、当時できなかったことが列挙されている。

歩行に関する項目をピックアップする。

・片足立ちで左が弱い。

・前方へよろめく。

・歩行時左足が外に広がる。

・足を閉じて目をつむるとよろめく。怖い。

・リハビリ施設を周回する際、左周りがうまくできない。

・歩行時左足の着地がドスンとなる

平均台での歩行がよろめく

・機械で左右の重心を計った際、肩幅で立つと左右の比率が5:5であるが、足の幅を狭くして立つと3:7→2:8に変化する

・ウォーキングマシンで歩行中、手すりにつかまっていると足がまっすぐ出ているが、手を離すと途端に足が広がってしまう

 

当時、左右のバランスが悪く、歩行時に恐怖を感じていたようだ。左右の重心の比率を半々にするように意識し、多少よろめいても体型を回復させるための体幹を鍛えるためのインナーマッスルを含めた筋力トレーニングや四つん這いになって体幹バランスを鍛えるトレーニングを行っていた。

さらにバランスが左右にぶれることを防止するため、まっすぐな線の上をつま先とかかとをくっ付けて歩く、継ぎ足歩行を練習した。後半では平らなバランスボールに乗ることでバランスを鍛えた。また左右の重心を計る機械が1台しかないため、体重計を2台用意してもらい、それぞれに片足ずつのせて、体重が5:5で分散できるように意識する訓練を行った。エアロバイクも効果的であった。

足の指で乾いたタオルを手繰り寄せる訓練も行った。左足の指があまりうまく動かず、今でもスリッパやサンダルを履くと脱げやすい。

 

なぜバランスが悪くなったのか、依然わからなかったのであるが、ある理学療法士さんから「水頭症が原因なのではないか」と示唆をいただいた。早速水頭症を調べたところ水頭症には3つの症状があることが分かった。

①歩行障害

②尿失禁

認知症

別記事、「くも膜下出血と水頭症 - 保護ねこおやじのブログ (hatenablog.com)」をご参考いただきたい。

この記事の①の歩行障害の症状がまさに、歩けない状況と同じである。次のような症状があるようだ。

・小刻み歩行(小股でよちよち歩く)

・外股歩行(足が開き気味で歩く)

・すり足歩行(足が上がらない状態で歩く)

・不安定な歩行(特に展開時)

・第一歩が出ない(歩き出せない)

・突進減少(うまく止まれない)

急性病院で最後に行った手術はこの水頭症の対処のための手術である。急性病院の時から歩けない原因がずっと疑問であったが、水頭症が原因であることは周知の事実であったため、あえて伝えなかったのか、最初の頃に伝えており、私が失念していたのかもしれない。灯台下暗しと言ったところであろうか。

その日以来原因が分かった気になり、安心してリハビリを続けた。

しかしながら、退院後3か月ごとにMRIを取って脳室の髄液の状態を調べているが、脳室の広がりが脳を圧迫しているようには見えない。MRI画像を見ると、延髄の左側に障害があり、イメージしているバランスがずれている可能性があると言われた。この延髄の障害がワレンベルグ症候群に影響しているかもしれないようである。

歩行障害に対する、はっきりとした原因は不明であるが、仕事にも復帰でき、何とか日常生活に影響がない状況まで回復したため、最近ではあまり原因を気にならなくなってきた。

 

リハビリ病院退院の段階でもまだバランスが不安定であるが、一本杖で歩けるくらいに回復した。自宅でもこれらのリハビリを続け、家の中や近所くらいならば杖なしで歩けるようになった。今では公共交通機関を利用するときのみ、用心のためヘルプマーク付きの杖を使用するようにしている。

ぎこちないながら縄跳びもとべるしスキップもできる。自転車にも乗ることができた。別記事「くも膜下出血後の自動車運転再開」で報告したとおり、自動車免許証の継続も承認を得た。

しかし、発症前と同程度までは戻らず、階段では手すりを使用するし、上り坂・下り坂ではゆっくりとした歩行になってしまう。恐怖も残っている。走ることができないので、横断歩道で歩行者信号が点滅し始めたら絶対にわたらない。自動車は近場だけ、自転車は乗らないにしている。片足立ちも2~30秒くらいしかできず、ズボンを履くときは壁につかまっている。靴を履くときは玄関に腰かけてから履く。

 

ここまで回復できたのも、急性病院・リハビリ病院の先生・看護師さん・療法士さんおよび家族のおかげである。大変感謝してもしきれない。