保護ねこおやじのブログ

正月に発症した「くも膜下出血」の闘病日誌

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広告:くも膜下出血発症時の幸運

くも膜下出血になったことは大変不幸なことであるが、ここまで普通に生活できるような大きな後遺症もなく復帰できたことは、奇跡といえるほど幸運が重なったためである。重なった幸運を説明したい。

 

1.家で発症したこと。

 正月明けの1月4日に、妻を職場に送る直前に一服するためウッドデッキに出て倒れた。正月に自宅に帰っていたが、いつもは栃木に出張している。妻の仕事の直前であったため、妻と2人の子供に気が付いてもらえ、すぐに救急車を呼んでもらえた。救急車は徒歩10分くらいの消防署から出動してもらった。

 発症がもう少し後であったら運転中に発症しており、妻や周りの車を巻き込む大惨事になっていた可能性がある。家族が近くにいなかったら倒れたことに気づかれず、対処が遅れてしまったかもしれない。発症が翌日以降である場合、出張先の一人暮らしで発症し、だれにも気が付かれずに亡くなっていた可能性が高い。

 

2.手術が行えたこと。

 救急車の中で呼吸が止まったが適切な処置で呼吸の回復をしてもらえた。救急病院到着後、病院から「覚悟してください」と言われたのだが、脳外科医師の手配をしていただき、手術をしてもらえることができた。発症が正月3が日中であったら、手術はできなかったかもしれない。

 

3.感染リスクを考慮してシャント手術を延期したこと

 くも膜下出血を発症すると、高い確率で水頭症を併発する。健康な人の脳は、髄液と呼ばれる人体で一番きれいな水の中に浮かんでいる。髄液は脳室で作られ、くも膜下腔で吸収されるが、水頭症はこの一連のサイクルのいずれかに異常が発生し、脳内に髄液が貯まって脳が圧迫され、脳機能に影響を与える症状である。くも膜下出血手術の後しばらくは、この髄液を外に排出するチューブをつけていたが、これを体内で吸収させるための手術がシャント手術である。早々にシャント手術を行いたかったのであるが、細菌の感染(髄膜炎)があり、しばらく見送っていた。手術を行い、感染症を併発すると脳の機能障害がおき、知能レベルが下がる恐れがある。細菌がいなくなるまで手術を待っていたため、救急病院で4か月という長い期間入院していた。この判断はありがたく、一歩間違えると今と同じ知能レベルが保てなかった可能性がある。手術の延期については単なる幸運ではなく、医師の適切な判断である。この医師に診ていただけたことが幸運と言えよう。

 

家族・親族、病院関係者に対する感謝と同じくらいこれら幸運に対しても感謝したい。