保護ねこおやじのブログ

正月に発症した「くも膜下出血」の闘病日誌

MENU

広告:くも膜下出血の後遺症

くも膜下出血から奇跡的に復活したとは言え、突然意識を失い、病院では万が一のことを覚悟するように言われたほど重症であったため、多かれ少なかれ後遺症がある。症状や原因、対応などを紹介することで、同様の症状に悩まれている方に参考にしていただきたい。

【歩行障害】

救急病院で意識を取り戻した時、ベッドから立ち上がれないことに気が付いた。それまで何不自由なく歩いていたのが、気が付いたら立ち上がることもできなくなっていた。足が動かないのではなく、バランスが取れないのだ。体幹がまるで無くなっているように感じた。それ以降救急病院の中では、小水は尿道カテーテル、お通じはおしめの生活となった。まずはベッドで寝た切り、次に車いす、その後キャスター付きの歩行器、最後には一本杖で歩けるまでに回復した。おしめと尿道カテーテルが取れたのちは、看護師さん付き添いのもと、トイレに行けるようになった。初めてトイレに行けたときは非常にうれしかった。

リハビリによってだんだん回復してきたのであるが、当初は何で歩けないのか原因がわからなかった。足が動かないのではなく、バランスが取れないのである。脳に出血があった時、右延髄で軽い梗塞が発生していたと主治医から伺った。母が脳梗塞の後遺症で半身不随であるが、私が歩けないのは脳梗塞が原因とは思えなかった。原因がわからないことには改善もおぼつかないと考えて、いろいろと理由を探していた。次のリハビリ病院で、療法士さんに相談したところ、水頭症が原因ではないかと言われた。水頭症は脳脊髄液が溜まることで様々な支障が出る病気で、歩行障害・認知症・尿失禁などの症状がある。リハビリ病院に転院する前にシャント装置を入れて水頭症の対応を済ませたため、リハビリを頑張ればやがて以前と同様に歩けるようになるのではないかと期待が持てた。

今では家の中や近所の散歩程度は杖なしで歩行することが可能である。しかし万全ではなく、階段や坂道の上り下りではゆっくりとした動作となり、手すりがあるところでは手すりを使っている。歩いていると気持ち右方向に引っ張られている気がする。また、公共交通機関を利用する際は、ヘルプマークをぶら下げた杖を使うようにしている。杖なしでも行動できるが、用心のために杖を使うようにしている。歩行が万全ではない理由は軽い梗塞が影響しているのかもしれない。

【嚥下障害】

右延髄の軽い梗塞により右の声帯が麻痺している。人の咽は胃と肺に繋がっており、この切り替えを声帯が担っている。飲み物や食べ物が通る時、左右の声帯が閉じて肺に食物が通らないようにガードしている。年を取るとこの声帯のガード機構が緩くなり、むせることが多くなる。私は声帯が1枚麻痺していることで嚥下がしにくくなっている。誤嚥による肺炎を防ぐため、飲み物を飲むときには必ず市販のとろみ調整食品を混ぜている。固形物では誤飲することはなく、飲食についても発症前と大差ない状況になっているが、炭酸系を飲むと咽がひりひりすることが気になっている。以前のようにビールののど越しを感じられないのが残念である。

嚥下と同様にげっぷがしにくい。これも声帯の麻痺の性か不明であるが、無理やり出すと逆流しそうで怖い。

【左腕・肩の凝り・痛み】

右延髄の軽い梗塞は声帯だけではなく左半身全般に影響している。歩行にも影響しており、その代償行為として左腕に力が入ってしまい、救急病院、リハビリ病院、退院後の在宅リハビリの最中、左腕・肩に強い凝りと痛みを感じていた。近所の整体病院に通って電磁波治療を受けていたが、一向に良くならなかった。

ある時、シャント装置の管がずれたことで水頭症が再発して、再手術をすることになった。在宅リハビリ後4か月くらいたったころである。この手術でシャント術の方式を変更した。手術から目覚めて驚いたことには左腕・肩の痛みがすっかり消えていた。筋肉の緊張が解けたことにより痛みがなくなったと考えているが、どのような理由でこのような状況になったのかは、いまだに不明である。水頭症の再発がなければいまだに左腕・肩に痛みが残っていたであろう。

【頭痛・頭が重い】

外見からはわからないが、いくつかの後遺症の中で一番気になる症状は頭に関することである。頭が重くボーとしており、脳の内側から外側に押されるような感じで、時に頭や顔面から血の気が引くような症状になる。下を向くとそれだけで頭痛がするので、落としたものを拾う・靴下をはくなどの行為がつらい。下を向かなくても頭が痛くなり、カロナールやバッファリンは欠かせない。片頭痛持ちの方々はこのような症状に悩まされているのではないかと感じている。

他の後遺症は慣れや我慢ができるが、頭に関する症状は結構つらく、仕事が手につかないことも多い。脳外科の主治医に相談したが、人によってさまざまであるが治るまで数年かかることも多い。特効薬はなさそうである。

10年位前に仕事上のストレスで心療内科に通い、適応障害と診断されたことがある。先日ダル重の女優さんがお休みされた症状である。この時は6か月ほどの休職で仕事に復帰したがおそらく全面完治はしていないのではないかと考えている。適応障害の後遺症とくも膜下出血の後遺症の相乗効果があるのではないかと想像している。

頭の痛みや重さは飲酒や二日酔いの症状ににている。退院時に主治医にお酒のことを確認したところ、特に問題ないといわれていたが、このような症状があるので、お酒を飲むことに躊躇していた。発症前、お酒は大好きであったが、退院後1年程度はお酒を遠ざけていた。おっかなびっくりお酒を口にしたが、特に症状に変化はなく、今では毎週末家で飲むようにしている。ちなみに発症前は週5日のペースで晩酌を行っていた。

【ワレンベルグ症候群】

左半身への影響はまだあり、左の腕がワレンベルグ症候群であることが分かった。リハビリ病院で針やお絞り・氷などで調査したところ、左腕では痛みや熱さ、冷たさは感じておらず、その代わり今まで感じたことがないようなとんでもなく変な感覚が発生することが分かった。この症状はいまだに直っていないが、生活するうえで特に支障は出ていない。

 

軽い後遺症はほかにもあるが、頭痛以外は大きな支障は感じていない。少しずつ良くなることを願いながらリハビリに励み、一生付き合っていくしかないかなと考えている。